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テグジュペリの星の王子様の比喩表現

テグジュペリの星の王子様の比喩表現

星の王子様の故郷である「小惑星B612」

一見するとただの数字とアルファベットの組み合わせに過ぎないこの惑星の名前は、実は星の王子様の純粋さや孤独を象徴しています。広大な宇宙に浮かぶ、あまりにも小さく、誰にも知られていない星。それは、大人になるにつれて忘れてしまう、子供の頃の無垢な心を表しているかのようです。また、現実世界から遠く離れた、孤独な場所であることも暗示しています。

「バオバブの木」と「バラの花」

星の王子様の小さな星に生えるバオバブの木は、放置すると星を覆い尽くしてしまうほどの強い繁殖力を持つため、王子様は毎日欠かさず芽を摘み取っています。このバオバブの木は、人の心に潜む「恐怖」「怒り」「悲しみ」といったネガティブな感情のメタファーとして描かれています。もしも、これらの感情に気づかず放置すれば、やがて心全体を支配され、大切なものを失ってしまうという警告なのです。

一方、美しく咲き誇る一方で、繊細で気まぐれな一面を持つバラの花は、王子様にとって特別な存在です。しかし、王子様はバラの花のわがままさに振り回され、その美しさの裏に隠された棘に気づかずに傷ついてしまいます。このバラの花は「愛」や「友情」といった、美しく尊いものの象徴であると同時に、時に人を苦しめ傷つけるものでもあるという二面性を表現しています。

「キツネ」との出会い

地球に降り立った王子様が出会うキツネは、物語の中で重要な役割を担う存在です。キツネは王子様に「本当に大切なものは目に見えない」こと、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない」ことを教えます。そして、「きみがおまえのバラの花に時間をかけたから、おまえのバラの花はとても大切になったんだ」という言葉を残します。

このキツネは「賢者」や「導き手」を象徴しており、王子様に人生における大切な教訓を与え、成長を促します。また、「飼いならす」という行為を通して生まれる絆の大切さを教えています。

「砂漠」という舞台

物語の舞台となる広大で何もない砂漠は、孤独や絶望、そして人間の心の内面を象徴しています。飛行士である「ぼく」が不時着したのも、まさに心の拠り所を求めて彷徨っていたからと言えるでしょう。しかし同時に、砂漠は希望を見出す場所でもあります。王子様と「ぼく」が出会い、心を通わせるのも砂漠の中であり、「大切なものは目に見えない」という真実を見つけるのも、この広大な砂漠なのです。

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