Skip to content Skip to footer

ダンテの神曲の世界

## ダンテの神曲の世界

###

構造

ダンテの神曲は、「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3部から構成され、各篇は33歌ずつ、計99歌からなる長編叙事詩です。冒頭に置かれた1歌を加えるとちょうど100歌となり、100という数字が完全数を表すと考えられていた当時の世界観を反映しています。

###

舞台

神曲は、キリスト教的世界観に基づき、死後の世界を旅するダンテの姿を描いています。

* **地獄(Inferno):**漏斗状に広がる奈落の底。罪の種類と重さによって9つの圏に分かれており、それぞれに異なる罰が与えられています。
* **煉獄(Purgatorio):**地獄から天国へ至る途中に位置する山。生前に悔い改めなかった罪を浄化するための場所であり、7つの層に分かれています。
* **天国(Paradiso):**神の存在が感じられる至高の領域。地球を取り巻く9つの天と、さらにその上に存在するエンピリオ(至高天)で構成されています。

###

登場人物

* **ダンテ(Dante):**本作の主人公であり、物語の語り者。35歳の時に人生の迷いから地獄の門に迷い込み、旅路を続けます。
* **ウェルギリウス(Virgilio):**古代ローマの詩人。ダンテを導く案内役として、地獄と煉獄を共に旅します。理性と人間的知恵を象徴する存在。
* **ベアトリーチェ(Beatrice):**ダンテが生涯敬愛した女性。天国でダンテを迎え、神の愛へと導く存在。神の恩寵を象徴します。

###

主題

神曲は、単なる死後の世界を描いた作品ではなく、当時の社会情勢やダンテ自身の内面を反映した寓意に富んだ作品です。主な主題としては、罪と罰、愛と救済、政治と宗教などが挙げられます。

###

特徴

* **韻律:**イタリア語で書かれ、 terza rima(テルツァ・リーマ)と呼ばれるaba bcb cdc…という韻律が用いられています。
* **寓意性:**作中に登場する人物や出来事には、当時の政治状況や宗教的教義など、様々な寓意が込められています。
* **人間描写:**地獄で罰せられる罪人たちの姿や、煉獄で苦しみながらも浄化を願う魂の姿など、人間心理の複雑さを克明に描いています。

ダンテの神曲は、700年以上も前に書かれた作品でありながら、現代においても色褪せない普遍的なテーマと魅力を持っています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5