ダンテの煉獄篇のテクスト
煉獄の山の構造
煉獄はダンテの『神曲』に登場する、来世における3つの領域の2番目にあたる場所で、悔い改めた魂が浄化され、天国に昇るにふさわしい状態になる場所です。地球の反対側に位置する円錐形の山として描かれ、頂上には地上楽園があります。
煉獄山は全部で9つの層に分かれており、下から順に、傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、大食、色欲、異端、偽りの罪が浄化されます。
ダンテの旅と寓意
ダンテはローマ詩人ウェルギリウスに導かれ、煉獄山を登っていきます。各層では、その罪を象徴する試練や罰が課せられ、ダンテ自身もその試練を通して自身の罪と向き合っていきます。
ダンテの旅は、人間の魂が罪から救済へと至る過程の寓意と解釈されています。ウェルギリウスは理性の象徴であり、ダンテを導く役割を果たします。
詩的技法
『煉獄篇』は、 terza rima と呼ばれる、ABA BCB CDC…のように韻を踏む3行連詩で書かれています。この詩形は、ダンテ自身の発明とされ、音楽的な美しさと、魂の浄化の過程を表現する推進力を生み出しています。
また、『煉獄篇』では、比喩や象徴が効果的に用いられており、抽象的な概念を具体的なイメージとして読者に提示しています。