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ソフォクレスのアンティゴネの構成

ソフォクレスのアンティゴネの構成

プロローグス

プロローグスは、劇の背景と登場人物間の対立を観客に提示します。アンティゴネとイスメネの対話によって、物語の中心となる葛藤、すなわち、人間の法と神々の法のどちらに従うべきかというジレンマが明らかになります。アンティゴネは、たとえそれが国家の法律に違反することになっても、神々の法に従い、兄の亡骸を埋葬することを決意します。一方、イスメネは、国家の法律に従うことを選択し、アンティゴネの行動を止めようとします。

パロドス

パロドスは、テーバイの古老たちからなる合唱隊が歌い、踊る場面です。ここでは、前日に起きたテーバイの戦いを振り返り、ポリネイケスの反乱とテーバイの勝利が歌われます。合唱隊は、クレオンの勝利を祝福し、新しい統治者への期待を表明します。

エピソード

「アンティゴネ」は、プロローグスとエクソドスに加えて、5つのエピソードから構成されています。それぞれのエピソードでは、登場人物たちの対立が深まり、悲劇へと進んでいきます。

– **エピソード1**: クレオンがポリネイケスの埋葬を禁じる勅令を発布します。歩哨が現れ、ポリネイケスの遺体が密かに埋葬されたことを報告します。
– **エピソード2**: 歩哨がアンティゴネを捕らえ、クレオンの前に連れてきます。アンティゴネは自分の行為を認め、神々の法に従ったのだと主張します。
– **エピソード3**: クレオンと息子のハイモンが対立します。ハイモンは、アンティゴネの処刑に反対し、民衆の意見に耳を傾けるよう進言しますが、クレオンは聞き入れません。
– **エピソード4**: 預言者テイレシアスが登場し、クレオンの行動が神々の怒りを買っていることを警告します。恐れをなしたクレオンは、アンティゴネを解放することを決意しますが、時すでに遅しとなっていました。
– **エピソード5**: 使者が、アンティゴネとハイモンの死を告げます。悲しみに暮れたクレオンの妻エウリュディケもまた自ら命を絶ちます。

スタシモン

各エピソードの合間には、スタシモンと呼ばれる合唱隊の歌と踊りが挿入されます。スタシモンは、劇の進行に伴って変化する合唱隊の心情や、劇全体に通底するテーマを歌い上げます。

エクソドス

最後の場面となるエクソドスでは、悲劇の結末が描かれます。愛する者たちを失ったクレオンは、自分の過ちを悟り、深い後悔の念にさいなまれます。合唱隊は、人間の傲慢さや運命の残酷さについて歌い、劇は幕を閉じます。

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