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ソシュールの一般言語学講義の面白さ

ソシュールの一般言語学講義の面白さ

言語を「システム」として捉える革新性

ソシュールの一般言語学講義は、言語をそれまでの歴史主義的な観点から脱却させ、「システム」として捉える画期的な視点を提示した点で画期的でした。ソシュール以前は、言語は変化し続けるものであり、その歴史的な変遷を研究することが中心的な課題とされていました。しかし、ソシュールは、言語をある時点において「共時的(synchronic)」に捉え、その内部構造を明らかにすることの重要性を強調しました。

「記号の恣意性」と「価値の体系」

ソシュールは、言語記号を「シニフィアン(signifiant)」と「シニフィエ(signifié)」の結合として捉えました。シニフィアンとは、言葉の音声イメージであり、シニフィエとは、その言葉が表す概念です。「arbre(木)」という記号を例に取ると、「アルブル」という音声がシニフィアンであり、「木」という概念がシニフィエとなります。

重要なのは、このシニフィアンとシニフィエの結びつきが恣意的であるという点です。「木」という概念に「アルブル」という音声が必然的に結びついているわけではなく、他の音声によって表されることも可能だからです。

さらにソシュールは、言語記号は単独で意味を持つのではなく、他の記号との差異によってその価値が決まると考えました。「木」という言葉は、「草」や「花」といった他の言葉との関係において、はじめてその意味を確定させるのです。このように言語記号は、相互に関係し合いながら「価値の体系」を形成していると言えるでしょう。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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