## スミスの国富論を面白く読む方法
### 1. 現代社会との繋がりを見つける
『国富論』は、今から250年以上も前に書かれた経済学の古典です。 しかし、決して古臭い内容ではありません。現代社会の資本主義の根幹を成す原理原則が、スミスの鋭い観察眼と論理的な思考によって解き明かされています。
例えば、「見えざる手」という言葉は現代の経済活動においても頻繁に用いられます。これは、個人が自分の利益を追求することで、結果として社会全体の利益にも繋がるという考え方です。現代社会の企業活動や消費行動、自由貿易などは、この考え方に基づいていると言えるでしょう。
### 2. 分かりやすい解説書を併用する
『国富論』は、当時としては画期的な内容であったため、現代の私たちが読むと難解に感じる部分も多いです。そこで、分かりやすい解説書を併用することをおすすめします。解説書を読むことで、スミスの主張の要点を押さえたり、難しい専門用語を理解したりすることができます。
近年では、漫画や図解を用いた解説書も多く出版されています。これらの書籍を活用することで、よりスムーズに『国富論』の世界に入っていくことができるでしょう。
### 3. スミスの視点で現代社会を分析してみる
『国富論』を読み進める中で、スミスが生きていた時代と現代社会を比較してみるのも面白いでしょう。
例えば、スミスは分業の重要性を説いていますが、現代社会における高度な分業体制は、スミスの時代には想像もつかなかったでしょう。現代社会が抱える貧富の格差や環境問題についても、スミスならどのように分析するのか考えてみることで、新たな視点を得ることができるかもしれません。
### 4. 気になるところから読んでみる
『国富論』は非常に長い書物です。最初から順番に読むことに固執せず、興味のある章や節から読んでみるのも良いでしょう。目次を参考に、面白そうなテーマを選んでみてください。
例えば、「労働の賃金について」「資本の利潤について」「土地の地代について」といった章は、現代社会の経済活動にも通じる内容であり、興味深く読むことができるのではないでしょうか。
### 5. 他の経済学者の意見も参考にして比較する
スミスの主張は、その後の経済学に大きな影響を与えましたが、一方で批判的な意見も存在します。 他の経済学者の著書も読んでみることで、スミスの考え方の特徴や限界点をより深く理解することができます。
例えば、マルクスの『資本論』は、スミスの資本主義論を批判的に継承したものです。ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』は、スミスが重視した市場メカニズムの限界を指摘し、政府による経済介入の必要性を説いています。
これらのポイントを踏まえ、『国富論』をただの古典としてではなく、現代社会にも通じる生きた書物として楽しんでみてください。