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スミスの国富論の対極

スミスの国富論の対極

マルクスの「資本論」

アダム・スミスの『国富論』は、自由放任主義経済学の基礎を築き、市場メカニズムの有効性と個人の利潤追求が社会全体の利益に繋がるという「見えざる手」の概念を提唱しました。

一方、カール・マルクスの『資本論』は、スミスの思想とは対照的に、資本主義経済システムにおける資本家階級と労働者階級の対立と搾取構造を分析し、資本主義の必然的な崩壊と共産主義社会への移行を予言しました。

主な対立点

**1. 経済活動の主体**

* **スミス**: 個人。 市場における自由な経済活動を通じて、個人の利益と社会全体の利益は一致すると考えた。
* **マルクス**: 階級。 資本家階級と労働者階級という対立する利害を持つ階級が、生産手段の所有関係に基づいて形成されると考えた。

**2. 価値の源泉**

* **スミス**: 労働。 商品の価値は、それを生産するために必要な労働量によって決まるとする労働価値説を提唱した。
* **マルクス**: 労働。 スミスの労働価値説を継承・発展させ、資本家による労働力の搾取が、剰余価値を生み出す源泉だと主張した。

**3. 国家の役割**

* **スミス**: 「夜警国家」として、市場への介入を最小限に抑え、個人の経済活動を保障することに徹するべきだとした。
* **マルクス**: 資本家階級の利益を守るための道具と捉え、最終的にはプロレタリアートによる国家の消滅を構想した。

**4. 経済システムの将来**

* **スミス**: 自由競争と市場メカニズムを通じて、経済は成長と発展を続けると楽観的に予測した。
* **マルクス**: 資本主義は inherent な矛盾を抱えており、必然的に崩壊し、共産主義社会へと移行すると予測した。

影響

『国富論』と『資本論』は、経済学だけでなく、政治思想、社会運動、歴史の進展にも多大な影響を与え、今日に至るまで様々な議論や解釈を生み出しています。

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