ジェイムズのプラグマティズムを読む前に
哲学の入門書を読む
ウィリアム・ジェイムズの『プラグマティズム』は、哲学の入門書ではありません。哲学の基礎的な概念や用語に慣れていないと、ジェイムズの主張を理解するのが難しいでしょう。哲学の入門書を読むことで、哲学的な思考法や議論の展開方法を学ぶことができます。また、哲学史上の主要な思想家とその理論について知ることができます。これらの知識は、『プラグマティズム』を読むための基礎となります。
プラグマティズムの概要を掴む
プラグマティズムは、19世紀後半にアメリカで生まれた哲学の潮流です。その中心的な考え方は、「概念の意味は、その概念がもたらす実際的な効果によって決まる」というものです。つまり、ある考え方が正しいかどうかは、その考え方が私たちの生活においてどのように機能するかによって判断されるべきである、という立場をとります。
ジェイムズは、プラグマティズムの代表的な思想家の一人ですが、彼独自の解釈を持っています。ジェイムズは、プラグマティズムを「真理とは何か」という問いに対する答えとして提示しました。ジェイムズにとって、真理とは「私たちの人生にとって有益なもの」です。
ジェイムズの背景を知る
ウィリアム・ジェイムズは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したアメリカの哲学者、心理学者です。兄は小説家のヘンリー・ジェイムズです。ジェイムズは、プラグマティズムの創始者の一人とされ、「アメリカの哲学の父」とも呼ばれています。
ジェイムズの思想は、プラグマティズム以外にも、心理学、宗教哲学、教育学など、多岐にわたります。ジェイムズの思想を理解するためには、彼の生きた時代背景や、彼が影響を受けた思想家などを知っておくことが重要です。
心構え：開かれた心と批判的な思考
ジェイムズの著作は、時に難解で、解釈が分かれることもあります。ジェイムズ自身の主張も、時代や文脈によって変化している部分もあります。そのため、『プラグマティズム』を読む際には、事前に決めつけたり、安易に結論を下したりするのではなく、開かれた心と批判的な思考を持つことが大切です。