## シラーの自由についてのメカニズム
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感性衝動と形式衝動
シラーは人間の中に二つの根本的な衝動、「感性衝動」と「形式衝動」が働いていると考えた。感性衝動は、時間的な変化、多様性、個別性、現実の世界における具体的な経験を求める衝動である。一方、形式衝動は、時間を超えた不変性、統一性、普遍性、理性による秩序や法則を求める衝動である。
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遊戯衝動と美的状態
この相反する二つの衝動は、そのままでは対立し葛藤を生み出す。しかし、シラーは人間にはこの二つの衝動を調和させ、均衡状態へと導く第三の衝動、「遊戯衝動」が備わっていると考えた。遊戯衝動は、感性衝動と形式衝動の両方を満たし、自由な精神活動をもたらす。そして、この遊戯衝動が作用した状態こそが「美的状態」である。
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美的状態と自由
美的状態において、人間は感性と理性の束縛から解放され、真の意味での自由を獲得する。これは、特定の目的や外部からの強制から解放された、自律的で自由な精神活動の状態であると言える。美的状態における自由は、単なる気まぐれな自由ではなく、感性と理性の調和の上に成り立つ、より高次元の自由である。
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