## シュムペンターの経済発展の理論の対極
###
静的な均衡状態を重視する古典派経済学
シュンペーターの経済発展の理論は、イノベーションや企業家精神といった動態的な要素に焦点を当て、資本主義経済における質的な変化と発展を説明しようとするものです。一方、古典派経済学は、市場メカニズムを通じた資源配分や価格決定のメカニズムなど、経済の均衡状態を重視する傾向があります。
###
代表的な古典派経済学者：アダム・スミス
アダム・スミスの主著『国富論』は、古典派経済学の礎を築いただけでなく、経済学という学問分野を確立した画期的な著作として知られています。スミスは同書の中で、「見えざる手」と呼ばれる市場メカニズムによって、個々の経済主体の利己的な行動が社会全体の利益に繋がるという考え方を示しました。
###
古典派経済学における経済成長
古典派経済学においても、経済成長は重要なテーマとして扱われていました。しかし、その成長は、資本蓄積や労働人口の増加といった量的な要因によって規定されると考えられていました。技術進歩は、外生的な要因として扱われることが多く、経済システム内部で生み出されるものとは考えられていませんでした。
###
シュンペーターとの対比
シュンペーターは、古典派経済学が前提とする均衡状態は、あくまでも静態的な分析の枠組みの中でしか成立しないと批判しました。彼は、現実の資本主義経済は、絶えずイノベーションによって創造的破壊が繰り返されることによって、動態的に変化し発展していくものだと考えました。