Skip to content Skip to footer

シュミットの政治的なものの概念の仕組み

## シュミットの政治的なものの概念の仕組み

###

友と敵の区別

カール・シュミットにとって、「政治的なもの」は独自の領域を構成しており、それは「友と敵」の区別によって定義されます。この区別は、道徳的・経済的・審美的といった他の対立関係とは根本的に異なり、実存的な敵対関係を指し示します。

シュミットは、「政治的なもの」を理解する上で、「敵」概念の重要性を強調します。彼にとって「敵」とは、単なる競争相手や意見の異なる相手ではなく、自らの生存を脅かす存在、すなわち、物理的な抹殺を賭けて対峙しうる存在を意味します。

###

政治的存在としての国家

シュミットは、国家こそが「友と敵」の区別を最終的に決定する主体であると主張します。国家は、自らの存在と秩序を守るために、敵を認定し、必要であれば武力を行使する権利と義務を有するとされます。

この国家観は、国家の主権を絶対視し、国際法や道徳よりも国家の安全保障を優先する立場から導き出されます。シュミットは、国家の主権こそが、政治的な決定を行い、秩序を維持するための前提条件であると考えていました。

###

例外状態と主権

シュミットは、「例外状態」の概念を用いて、国家の主権のあり方を説明します。彼は、平時には法によって国家権力が制限されている一方、国家の存続が脅かされるような非常事態においては、法の適用が停止され、主権者が独自の判断で例外的な措置を講じることができると主張しました。

「例外状態」は、単なる法秩序の混乱ではなく、法秩序の根底にある「政治的なもの」、すなわち「友と敵」の区別が露わになる状態を指します。そして、この「例外状態」においてこそ、国家の主権が最も純粋な形で現れるとされます。

Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

Leave a comment

0.0/5