シュミットの憲法理論の関連著作
カール・シュミット著「憲法論」
「憲法論」は、シュミットの憲法理論の基礎を築いた重要な著作です。彼はこの中で、ワイマール憲法体制の危機を背景に、政治と法、主権と憲法、立法と執行などの関係を鋭く分析し、独自の憲法理論を展開しました。
ハンス・ケルゼン著「純粋法学」
シュミットとは対照的に、ケルゼンは法を規範の体系として捉え、「Sein」(存在)と「Sollen」(当為)を峻別する「純粋法学」を提唱しました。これは、法と道徳、政治を明確に区別し、法学を価値判断から解放することを目指すものでした。シュミットはケルゼンの理論を批判し、両者の間で激しい論争が交わされました。
カール・レーヴィット著「憲法における自然法と実定法」
レーヴィットは、ワイマール共和国期のドイツを代表する法学者の一人で、法哲学、国際法、国家学など幅広い分野で活躍しました。彼は、法の根底には、人間の尊厳や自由といった普遍的な価値観があると考え、それを「自然法」と呼びました。レーヴィットは、実定法は自然法の理念を実現するために存在すると考え、両者を調和させることの重要性を説きました。