## シェイクスピアの終わりよければすべてよしの周辺
作品概要
* **ジャンル:** 喜劇
* **執筆年代:** 1601年から1608年頃と推定される
* **初演:** 年代・場所不明
* **初出版:** 1623年、ファースト・フォリオに収録
あらすじ
身分の低い医師の娘ヘレンは、亡き父譲りの医術の才能を持つ。彼女はフローレンスに住む伯爵の息子バートラムに恋をするが、身分違いのため叶わぬ恋と諦めていた。しかし、フランス国王が重い病に倒れたことを知り、父の遺した秘薬を携えてパリへ向かう。ヘレンは国王の病を治癒させ、その褒美として好きな男性と結婚する権利を与えられる。バートラムは国王の命令とはいえ身分の低いヘレンとの結婚を拒むが、ヘレンは機転と策略を巡らせ、最終的にバートラムの愛を獲得することに成功する。
登場人物
* **ヘレン:** 主人公。身分の低い医師の娘だが、知性と行動力、そして強い意志を持つ。
* **バートラム:** フローレンス伯爵の息子。美しく勇敢だが、未熟で傲慢な面も持つ。
* **フランス国王:** 病に苦しむフランス国王。ヘレンの治療によって回復し、彼女に褒美を与える。
* **ロシリオン伯爵夫人:** バートラムの母親。賢明で慈悲深く、ヘレンを娘のように愛する。
舞台
* フランス: パリ、ロシリオン伯爵の宮廷など
特徴
* **ロマンス:** 身分の低い女性と高貴な男性の恋愛を軸とした物語
* **策略と欺瞞:** ヘレンは目的を達成するため、様々な策略や欺瞞を駆使する
* **道徳的な問題提起:** バートラムの態度やヘレンの行動は、結婚や恋愛における道徳について考えさせる
* **複雑な結末:** バートラムが本当にヘレンを愛するようになったのかどうか、観客に解釈を委ねる曖昧な結末
その他
* タイトルは、どんな手段を使っても結果が良ければ全て良しとされるのか、という倫理的な問いを投げかけている。
* シェイクスピアの「問題劇」の一つに分類されることもある。
* 登場人物たちの心理描写が深く、現代でも共感できる部分が多い作品である。