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シェイクスピアの冬物語の話法

シェイクスピアの冬物語の話法

時間の扱い

「冬物語」における時間の扱いは、劇の構成において重要な役割を果たしています。第一幕から第三幕まではシチリアが舞台となり、レオンテスの嫉妬と狂気が描かれます。この部分は時間の流れが自然で、数日から数週間が経過すると考えられています。

しかし、第三幕と第四幕の間には16年の空白が存在します。この時間の経過は、劇中で「時間」を擬人化した存在によって語られます。この手法により、時間の流れを劇的に表現し、観客に時間の経過を意識させると同時に、過去の出来事から未来へと物語を転換させる効果を生み出しています。

第四幕以降はボヘミアが舞台となり、成長したパーディタとフローリゼルの恋物語が展開されます。時間の流れは再び自然となり、数日間の出来事が描かれます。

劇中劇

「冬物語」には、羊飼いの祭りにおけるオートリカスの歌や、ペディラーの登場など、劇中劇の要素がいくつか見られます。これらの劇中劇は、物語の本筋とは直接関係ないものの、登場人物たちの心情を浮き彫りにしたり、当時の社会風刺を表現したりする役割を担っています。

特に、ペディラーが販売するバラッドは、レオンテスの過去の罪を暗示するものであり、劇全体のテーマである「贖罪」と深く関わっています。また、オートリカスの歌は、田園風景と対比をなすことで、宮廷社会の腐敗を際立たせる効果も持っています。

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