シェイクスピアの二人のいとこの貴公子の構成
構成上の特徴
「二人のいとこの貴公子」は、5幕構成ではなく、**10場構成**を取っています。これは、この作品が宮廷 masques の影響を受けているためと考えられます。masques は、歌や踊りを交えた短い演劇であり、複数の場面転換を特徴としていました。「二人のいとこの貴公子」も同様に、場面転換が多く、テンポの速い展開が見られます。
各場の概要
各場は、場所や時間の経過を示す明確な区切りがなく、連続的に展開されます。以下に、各場の簡単な概要を示します。
* **第1場:** シチリア王女、エミリア、およびその従者であるフラビーナが登場し、狩猟に出かける準備をします。
* **第2場:** アルカディアの二人の王子、パルテノフィルとアラモンが登場し、互いにいとこであることを知らずに友情を育みます。
* **第3場:** パルテノフィルとアラモンは、森の中でライオンに襲われているエミリアとフラビーナを助け、それぞれエミリアに恋心を抱きます。
* **第4場:** アルカディアの宮廷で、パルテノフィルとアラモンはエミリアへの愛を巡って対立します。
* **第5場:** パルテノフィルは、エミリアに求婚するために、変装してシチリア宮廷に潜入します。
* **第6場:** アラモンもまた、エミリアに会うためにシチリア宮廷に向かいます。
* **第7場:** 陰謀と誤解が重なり、パルテノフィルとアラモンは決闘することになります。
* **第8場:** 決闘は中断され、パルテノフィルとアラモンは互いの正体を知ります。
* **第9場:** エミリアは、パルテノフィルとアラモンのどちらを選ぶか決断を迫られます。
* **第10場:** エミリアは、パルテノフィルを選び、アラモンはフラビーナと結ばれます。
これらの場を通して、登場人物たちの複雑な恋愛模様、友情、そして葛藤が描かれています。