## シェイクスピアの二人のいとこの貴公子の技法
劇構造
「二人のいとこの貴公子」は、5幕構成の韻文劇で、複数の筋書きが同時進行するのが特徴です。 主な筋書きは以下の3つです。
* シシリーの王位継承を巡る、パラモンとアーサイトの対立
* アマゾネスの女王ヒポリタとエミリーとの結婚を望むシーシアス公爵
* 恋するパラモンとアーサイトに仕える田舎娘の苦悩
これらの筋書きは複雑に絡み合い、最終的に収束していきます。 このような複雑な構造は、当時のロマンス劇によく見られる特徴です。
登場人物
本作には、貴族、騎士、田舎者など、様々な階層の登場人物が登場します。 パラモンとアーサイトは高潔な騎士として描かれ、彼らの恋愛感情は、友情と対立の両面から描かれます。 エミリーは、当時の典型的な貴婦人像であり、受動的な存在として描かれています。
一方、田舎娘は、身分は低いものの、 パラモンとアーサイトへの献身的な愛と、そのために自らを犠牲にする姿を通して、強い女性像を体現しています。
言語
「二人のいとこの貴公子」では、登場人物の身分や場面に応じて、様々な言語が使い分けられています。 貴族や騎士は、洗練された韻文を用いて会話する一方、田舎者は、粗野な言葉遣いをします。 また、劇中には、歌や踊りが挿入され、舞台効果を高めています。
テーマ
本作では、愛と友情、運命と自由意志、戦争と平和といった、普遍的なテーマが描かれています。 パラモンとアーサイトの友情は、エミリーへの愛によって試され、彼らは苦悩します。 また、彼らの運命は、神々によって翻弄され、自由意志と運命の狭間で葛藤します。
作者
「二人のいとこの貴公子」は、ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーの共作とされています。 しかし、それぞれの作者がどの程度執筆に関わったかについては、現在も議論が続いています。