シェイクスピアのペリクリーズを読む
登場人物
* **ペリクリーズ**: タイアの王子、物語の主人公。数々の苦難を経験する。
* **アンティオカス**: アンティオキアの王、近親相姦の関係にある娘を持つ。
* **タイーサ**: ペリクリーズの妻、航海の途中で死んだとされ、後に神官として仕える。
* **マリーナ**: ペリクリーズとタイーサの娘、誘拐されながらも、その高潔さで運命を切り開く。
* **ヘリケーナス**: タイアの忠臣、ペリクリーズの不在を支える。
あらすじ
ペリクリーズは、アンティオキアの王の秘密を知り、命を狙われます。故郷を離れ、航海の末にペンタポリスに流れ着きます。そこで王女タイーサと恋に落ち、結婚します。しかし、タイーサは航海の途中で娘マリーナを出産後、亡くなったとされ、海に葬られます。
一方、マリーナは乳母と共に成長しますが、誘拐され、売春宿に売られてしまいます。しかし、その知性と高潔さで周囲の人々を感化し、運命に立ち向かいます。
ペリクリーズは、長い放浪の末、娘マリーナと再会を果たします。さらに、神殿で神官として仕えていたタイーサとも再会し、家族は喜びに包まれます。
特徴
* **ロマンス劇**: 困難に見舞われながらも、最終的には主人公が幸福をつかむというロマンス劇の要素が強い作品です。
* **航海**: ペリクリーズの旅は、地理的に広範囲に及び、様々な場所が登場します。
* **悲劇と喜劇**: 悲劇的な場面と喜劇的な場面が交互に展開されるのも特徴です。
* **作者**: シェイクスピアの単独執筆ではなく、ジョージ・ウィルキンスとの共作という説が有力です。
テーマ
* **運命**: ペリクリーズやマリーナなど、登場人物たちは過酷な運命に翻弄されながらも、それに立ち向かっていきます。
* **家族**: 離れ離れになった家族が、長い年月を経て再会する喜びを描いています。
* **贖罪**: 悪事を重ねたアンティオカスは、神の怒りに触れ、破滅を迎えます。