## ザビエルの聖フランシスコ・ザビエル書簡集を読む前に
1. 聖フランシスコ・ザビエルの人物像について知る
ザビエルの書簡集をより深く理解するには、まず筆者である聖フランシスコ・ザビエルの人物像を把握することが重要です。彼は16世紀の人物であり、イエズス会の創設メンバーの一人であり、熱心な宣教師として知られています。
ザビエルはスペインの貴族出身でしたが、富や名誉よりも人々の魂の救済を強く願っていました。彼は、当時ヨーロッパの人々にとって未知の領域であった東洋に赴き、キリスト教を広めることを決意しました。
彼の生涯は、冒険と苦難に満ちたものでした。慣れない異文化の中で、言語の壁、病気、迫害など、様々な困難に立ち向かいながらも、持ち前の情熱と行動力で布教活動を行いました。
2. 16世紀の時代背景を押さえる
ザビエルが活躍した16世紀は、ヨーロッパが大航海時代を迎え、世界各地に進出し始めた時代と重なります。彼が書簡の中で触れている出来事や、当時の社会状況、文化などを理解することで、より深い洞察を得ることができるでしょう。
例えば、ザビエルが日本を訪れた1549年は、ヨーロッパでは宗教改革の真っ只中でした。一方、日本は戦国時代であり、各地で戦乱が繰り広げられていました。このような時代背景を踏まえることで、ザビエルの書簡から読み取れる内容も大きく変わってきます。
3. ザビエルが書簡を書いた目的を意識する
ザビエルの書簡は、単なる個人的な手紙ではなく、ヨーロッパの人々に東洋での布教活動の様子を伝えるための重要な報告書としての役割も担っていました。
中には、イエズス会の上司や、国王、そして後援者に向けて書かれたものもあり、それぞれの相手に合わせた内容となっています。書簡を読む際には、誰に宛てたものなのか、どのような意図で書かれたのかを意識することが大切です。
4. 当時の宣教活動における書簡の役割を理解する
現代と異なり、16世紀においては、手紙は遠方の人々とコミュニケーションをとるための貴重な手段でした。特に、ザビエルのように遠く離れた地で活動する宣教師にとって、書簡は、自身の活動内容を報告し、支援を要請するための重要なツールでした。
ザビエルの書簡からは、当時の宣教活動の実態や、直面していた困難、そして現地の人々との交流の様子などが生き生きと伝わってきます。