サッカレーのバリーリンドンの面白さ
バリー・リンドンの数奇な人生
主人公レドモンド・バリーは、アイルランドの貧しい家の出ながら、持ち前の美貌と強運を武器に、上流社会へのし上がろうと野心を燃やします。決闘、戦争、賭博、恋愛など、様々な経験を通して、彼は成り上がりと転落を繰り返します。その波乱万丈な人生模様は、読者を飽きさせません。
皮肉と風刺に満ちた語り口
物語は、バリー・リンドン自身の回想という形で語られます。しかし、彼は自分のことしか考えておらず、自己中心的で、しかもどこか間が抜けています。そのため、読者は彼の語る成功譚を額面通りに受け取ることができません。むしろ、サッカレーは、バリーの滑稽な言動を通して、当時の社会や人間の愚かさを鋭く風刺しているのです。
18世紀ヨーロッパの描写
サッカレーは、バリー・リンドンの物語を通して、18世紀ヨーロッパの社会、文化、風俗を活き活きと描いています。アイルランドの田園風景から、ロンドンの社交界、ヨーロッパ大陸の戦場まで、当時の様子を彷彿とさせる描写は、まるで歴史小説を読んでいるかのような臨場感を与えます。
映画化でも評価の高い作品
1975年には、スタンリー・キューブリック監督によって映画化され、アカデミー賞で美術監督賞、撮影賞、衣装デザイン賞、作曲賞を受賞しました。映画版は、原作の皮肉と風刺を巧みに映像化し、高い評価を得ています。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。