コンラッドのロード・ジムの話法
語り手
物語は、全知の語り手によって語られます。語り手は、ジムの思考や感情を含め、物語に登場するすべての登場人物の行動や内面世界について、読者に直接語りかけます。
物語の枠組み
この小説は、入れ子状の枠組み構造を採用しています。まず、匿名の語り手が、 Marlow という人物がジムについて語るのを聞いているという設定で物語が始まります。Marlow は物語の中心人物であるジムと出会い、彼の人生について詳しく知ることになります。Marlow は、ジムの物語を、他の登場人物たちに語り聞かせます。 このように、物語は異なる時間軸と場所を舞台に、語り手が入れ替わりながら展開していきます。
時間操作
物語は、時系列通りに進行するのではなく、頻繁に過去と現在を行き来します。 このような時間操作は、ジムの過去が現在の彼にどのように影響を与えているのかを探求するために用いられています。 また、読者にサスペンスを与え、ジムの行動の謎を深める効果も生み出しています。
象徴主義
コンラッドは、象徴主義を効果的に利用することで、テーマや登場人物の心理状態を表現しています。 特に、「海」は、試練や冒険、人間の心の深淵などを象徴するものとして、繰り返し登場します。 その他にも、登場人物の名前や特定の場所、物などにも象徴的な意味が込められています。