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ケインズの雇用・利子・貨幣の一般理論が関係する学問

ケインズの雇用・利子・貨幣の一般理論が関係する学問

マクロ経済学

「雇用・利子・貨幣の一般理論」は、マクロ経済学という学問分野を確立した画期的な著作と言えるでしょう。当時の経済学はミクロ経済学が中心で、個々の経済主体の行動分析が主流でした。しかし、ケインズは世界恐慌による深刻な不況を目の当たりにし、既存のミクロ経済学では説明できないと痛感しました。

そこでケインズは、経済全体を一つのまとまりとして捉え、総需要、総供給、国民所得、雇用、利子率といったマクロ経済変数間の関係を分析する枠組みを提示しました。これは、それまでのミクロ経済学中心の分析とは一線を画すものであり、マクロ経済学という新たな学問分野を切り開くものでした。

金融経済学

ケインズは従来の古典的な経済学とは異なり、貨幣が経済に中立的な影響を与えるものではなく、利子率や投資活動を通じて実体経済に大きな影響を与えることを主張しました。

「流動性選好説」と呼ばれる理論では、人々が将来の不確実性に対処するために、いつでも現金化できる貨幣を保有したいという欲求を持つと説明しました。そして、この流動性選好が利子率を決定し、さらにそれが投資活動や景気変動に影響を与えるメカニズムを明らかにしました。

このケインズの洞察は、その後の金融経済学の発展に大きな影響を与えました。

経済政策

ケインズは、世界恐慌のような深刻な不況時には、政府が積極的に財政政策や金融政策によって介入し、有効需要を創出する必要があると主張しました。これは、当時の主流であった「市場メカニズムは自律的に調整機能を持つ」という古典的な経済学の考え方とは全く異なるものでした。

具体的には、公共事業などへの政府支出拡大や減税によって総需要を刺激する財政政策、中央銀行による金融緩和策によって企業の投資意欲を高める金融政策などを提唱しました。

ケインズの主張は、その後の世界恐慌からの脱却や第二次世界大戦後の経済成長に大きく貢献し、経済政策のあり方にも大きな影響を与えました。

これらの学問分野に加えて、「雇用・利子・貨幣の一般理論」は、計量経済学、経済成長論、国際経済学など、他の様々な経済学分野にも大きな影響を与え、現代経済学の基礎を築きました。

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