## キャロルの不思議の国のアリスの原点
ルイス・キャロルとリデル家の関係
チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン、ペンネームをルイス・キャロルとして知られる数学者は、オックスフォード大学クライスト・チャーチ校の学寮長ヘンリー・ジョージ・リデルの娘たちと親しい間柄でした。特に長女のアリス・リデルとは格別の仲であり、彼女のために数々の物語を紡いでいました。
ボート遊びと物語の誕生
1862年7月4日、ルイス・キャロルはリデル家の三姉妹、アリス、ロリナ、イーディスを連れ、オックスフォード郊外のテムズ川でボート遊びに出かけました。その道中、キャロルは退屈する姉妹のために即興で奇妙な物語を語り始めました。これが後に「不思議の国のアリス」として世に出ることになる物語の原型です。
アリス・リデルの要望と物語の記録
ボート遊びの後、アリスはキャロルに物語を書き留めてほしいと頼みました。キャロルは彼女の願いに応じ、物語を書き始め、挿絵も自ら描きました。この手書き原稿は「地下の国のアリス」というタイトルで、1864年11月にアリスに贈られました。
出版に至るまで
友人の作家の勧めもあり、キャロルは「地下の国のアリス」を出版することを決めます。プロの挿絵画家ジョン・テニエルに依頼し、挿絵を刷新しました。そして1865年、「不思議の国のアリス」というタイトルで出版され、大成功を収めました。