キケロの弁論術についてのメカニズム
キケロの弁論術:五つの構成要素
キケロは、ギリシャの修辞学を継承しつつ、独自の弁論術の理論を体系化しました。彼の弁論術は、大きく分けて「発想術」「配置術」「文飾術」「記憶術」「朗読術」の五つの構成要素から成り立っています。
発想術:効果的な論点を見つける
発想術とは、弁論のテーマや目的に応じて、効果的な論点や素材を見つけ出すための技術です。キケロは、論点を発見するための枠組みとして、「事実問題」「定義問題」「手続き問題」「性質問題」の四つを提示しました。
配置術:論理的な構成で説得力を高める
配置術は、集めた論点や素材を、聞き手に効果的に訴えるために、論理的な順序に配置する技術です。キケロは、弁論を「序論」「叙述」「論証」「反駁」「結論」の五つの部分で構成することを推奨しました。
文飾術:言葉の力で聞き手の心を動かす
文飾術は、論理的な構成に加えて、言葉の力によって聞き手の心を動かし、説得力を高めるための技術です。キケロは、明瞭性、適切性、華麗性の三つを重視し、比喩、対句、反復などの修辞技法を駆使することを推奨しました。
記憶術:内容を確実に記憶する
記憶術は、膨大な弁論の内容を記憶するために必要な技術です。キケロは、場所記憶法を用いることを推奨しました。これは、記憶したい内容を、場所と結びつけて記憶する方法です。
朗読術:声と身振りで効果的に伝える
朗読術は、準備した弁論を、声のトーンや強弱、表情、身振りなどを駆使して、効果的に聞き手に伝えるための技術です。キケロは、自然で堂々とした態度で話すことを重視しました。
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