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キケロの共和国についての世界

## キケロの共和国についての世界

### 作品の概要

『キケロの共和国について』(De re publica)は、古代ローマの政治家、哲学者、文筆家であったマルクス・トゥッリウス・キケロによって紀元前54年から紀元前51年にかけて執筆された対話形式の哲学対話篇です。国家の理想的な形態、正義、自然法といったテーマが、主にストア派の思想を背景に論じられます。

### 舞台設定と登場人物

物語の舞台は紀元前129年、ローマ郊外のスキピオ・アフリカヌスの別荘です。登場人物は実在したローマの政治家や知識人たちであり、それぞれが独自の立場から議論を展開します。主な登場人物は以下の通りです。

* **スキピオ・アエミリアヌス:** 主人公。紀元前149年から紀元前146年にかけて第三次ポエニ戦争で活躍した軍人であり、政治家。
* **ガイウス・ラエリウス:** スキピオの友人であり、哲学者。エピキュリアンの立場から議論に参加する。
* **ルキウス・フリウス・ピルス:** スキピオの義父であり、法学者。
* **マルクス・マニリウス:** 法学者。
* **クィントゥス・ムキウス・スカエウォラ:** 法学者、政治家。

### 作品の構成と内容

『キケロの共和国について』は originally 全6巻で構成されていましたが、現在では大部分が失われており、完全な形で現存するのは第1巻から第3巻の一部と、第5巻、第6巻の一部のみです。

* **第1巻:** 国家の起源と本質、様々な統治形態、ローマ国家の起源と発展などが語られます。
* **第2巻:** ローマ国家の政治体制、特に執政官、元老院、民会の役割と相互関係が論じられます。
* **第3巻:** 正義と法の概念、理想的な国家における法の役割などが議論されます。
* **第4巻:** 当時のローマ社会が抱えていた政治的、社会的な問題が議論されたと推測されていますが現存していません。
* **第5巻:** 理想的な為政者の資質と役割が、プラトンの「哲人王」の概念を踏まえながら論じられます。
* **第6巻:** 国家の繁栄と衰退の原因、そして理想的な国家を維持するために必要な徳目などが語られます。

### 現存状況

前述の通り、『キケロの共和国について』は現在では大部分が失われています。1822年に Angelo Mai によって発見されるまで、中時代には第1巻の一部しか知られていませんでした。その後も断片的に発見が続いていますが、依然として完全な形での復元は実現していません。

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