## ガルブレイスの新しい産業国家の対称性
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ガルブレイスが「新しい産業国家」で指摘する対称性
ジョン・ケネス・ガルブレイスは、彼の著書「新しい産業国家」の中で、現代資本主義経済における様々な対称性を指摘しています。
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企業規模の対称性
ガルブレイスは、現代経済において、大企業が支配的な力を持つようになっていることを指摘し、その巨大な規模と影響力を強調しています。彼は、これらの大企業が、市場における価格や生産量をコントロールする力を持つようになり、伝統的な市場メカニズムが機能しなくなっていると主張しました。
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計画と市場の対称性
ガルブレイスは、大企業が内部的に計画経済と似たようなシステムを採用していることを指摘しています。これらの企業は、生産、価格設定、マーケティングなど、多くの重要な経済活動を内部で計画し、市場メカニズムへの依存度を低下させています。
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生産者と消費者の対称性
ガルブレイスは、従来の経済学が前提としてきた「消費者主権」に疑問を呈し、現代経済では、大企業が広告やマーケティングを通じて消費者の需要を操作していると主張しました。彼は、この状況を「依存効果」と呼び、消費者が企業によって作り出された欲望を満たすために、不必要な商品やサービスを消費していると指摘しています。
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テクノクラートと社会の対称性
ガルブレイスは、大企業において、技術者や専門家といった「テクノクラート」と呼ばれる層が、重要な意思決定を行うようになっていることを指摘しています。彼は、テクノクラートが専門知識と情報を独占することで、企業内での影響力を高め、社会全体にも大きな影響力を持つようになると主張しました。