## ガルブレイスの新しい産業国家に関連する歴史上の事件
### 1929年の世界恐慌とニューディール政策
ガルブレイスの「新しい産業国家」は、1929年の世界恐慌とその後のニューディール政策の影響を強く受けています。世界恐慌は、古典的な経済学の限界を露呈し、政府の積極的な介入の必要性を浮き彫りにしました。ガルブレイスは、恐慌の中で大企業が計画経済に近い形で生産調整を行っていたことに注目し、これが「計画システム」という彼の理論の根拠の一つとなりました。
ニューディール政策は、政府による公共事業や社会保障制度の導入など、市場メカニズムだけに頼らない経済運営を試みました。ガルブレイスは、ニューディール政策を高く評価し、「新しい産業国家」において政府が重要な役割を果たすことを主張する根拠としました。
### 第二次世界大戦と戦後の経済成長
第二次世界大戦は、政府が経済に積極的に介入する必要性をさらに高めました。戦時中の統制経済は、政府が資源配分や価格決定に深く関与することを示し、ガルブレイスの「テクノ構造」の概念を裏付けるものとなりました。また、戦後の経済成長は、大企業による大量生産・大量消費体制の確立と技術革新によってもたらされましたが、ガルブレイスは、これが「依存効果」を生み出し、消費者の自律性を損なう可能性を指摘しました。
### 冷戦と軍産複合体
冷戦は、軍事支出の増大を通じて「軍産複合体」を生み出し、これが「新しい産業国家」の重要な特徴の一つとなりました。ガルブレイスは、軍産複合体が経済成長の主要なエンジンとなり、政府の政策決定に大きな影響力を持つようになったと主張しました。また、軍事支出が教育や社会福祉などの分野への投資を圧迫する可能性を指摘し、その危険性を警告しました。