ガリレオ・ガリレイの新科学対話
登場人物と設定
「新科学対話」は、３人の登場人物の間で行われる４日間の対話という形式で書かれています。サルヴィアティはガリレオ自身を代表する人物であり、新しい科学的方法と太陽中心説を擁護します。サグレドは聡明で物事に偏見を持たない人物であり、当初は中立的な立場を取りますが、次第にサルヴィアティの議論に納得していきます。シンプリチオはアリストテレス派の学者を代表する人物であり、伝統的な見解に固執し、サルヴィアティの主張に反論します。
１日目：アリストテレス物理学の批判
初日は、アリストテレス物理学、特に運動論に対する批判から始まります。サルヴィアティは、アリストテレスの自然落下運動に関する理論、つまり重い物体ほど速く落下するという説に疑問を呈します。彼は、思考実験や観察に基づいた論理的な推論を用いて、落下速度は物体の重さではなく、空気抵抗などの他の要因によって影響を受けることを示唆します。
２日目：落下運動の法則
２日目は、前日の議論をさらに発展させ、落下運動の法則について集中的に議論します。サルヴィアティは、物体が等加速度運動をするという仮説を立て、有名な斜面実験を用いてこの仮説を検証しようとします。彼は、物体が落下する際に速度が時間の２乗に比例して増加することを数学的に証明します。
３日目：慣性運動と投射運動
３日目は、慣性運動と投射運動について議論します。サルヴィアティは、物体が外力を受けない限り、等速直線運動を続けるという慣性の概念を導入します。彼は、この概念を用いて、地球が動いているにもかかわらず、なぜ私たちがその動きを感じないのかを説明しようとします。さらに、彼は投射運動を水平方向の等速直線運動と鉛直方向の自由落下運動の組み合わせとして分析し、放物線を描くことを説明します。
４日目：潮汐の理論
最終日は、コペルニクスの地動説を支持する証拠として、ガリレオが提唱した潮汐の理論について議論します。サルヴィアティは、地球の自転と公転運動が海水の動きに影響を与え、潮の満ち引きを引き起こすと主張します。