カルヴィーノの見えない都市の対称性
都市と物語の構造における対称性
『見えない都市』は、マルコ・ポーロがフビライ・ハーンに様々な都市について語るという枠物語の形をとっています。この物語は、一見すると、対称的な構造を持っているように見えます。9つの章からなり、それぞれがテーマ別に分類された5つまたは4つの都市の記述を含んでいます。
都市の記述における対称性
個々の都市の記述においても、対称性を見出すことができます。例えば、ある都市は、その鏡像として存在する別の都市と対になって描かれていることがあります。また、ある都市の特徴が、別の都市の特徴と反転した形で描かれていることもあります。
言語における対称性
カルヴィーノの散文は、その詩的な美しさで知られていますが、そこには対称性も見て取れます。例えば、対句や反復などの修辞技法が頻繁に使用されています。
ただし、注意すべき点として
『見えない都市』における対称性は、完全なものとは言えません。多くの場合、対称性は部分的であったり、崩されていたりします。これは、現実世界の複雑さを反映しているとも考えられますし、読者に解釈の余地を与えるためとも言えます.