## カルヴァンのキリスト教綱要の主題
神の認識
「キリスト教綱要」の中心主題は、神への真の信仰とキリスト教生活のあり方についての包括的な解説を通して、 **神の認識** を明らかにすることです。カルヴァンは、神の認識は人間自身についての認識と不可分に結びついていると説きます。彼は、人間は本来、神を知るように造られており、神の栄光を反映するように生きてこそ、真の幸福を見出すことができると主張します。
聖書のみ
カルヴァンは、神の認識を得る唯一の源泉は **聖書のみ** であると断言します。彼は、聖書は神の言葉であり、人間の伝統や哲学よりも上位に位置づけられると主張します。彼はまた、聖書はすべての人に開かれており、聖霊の働きによって理解されると説きます。
神の主権
カルヴァンは、 **神の主権**、つまり神の絶対的な力と支配を強調します。彼は、神は宇宙の創造主であり、すべての出来事を支配する全能者であると説きます。カルヴァンは、神の主権は人間の救いにも及び、神はご自身の栄光のために、無条件に人を選び、救うと主張します。
キリスト論
「キリスト教綱要」は、イエス・キリストを神と人とが完全に結びついた唯一の存在として提示する **キリスト論** を展開します。 カルヴァンは、キリストの贖罪の死によって、人間の罪が贖われ、神との和解が可能になったと説きます。彼はまた、キリストを預言者、祭司、王として、信者の救いの唯一の中保者として描きます。
教会論
カルヴァンは、 **教会論** において、教会をキリストの体、すなわち信者の共同体として定義します。彼は、教会の使命は、福音を宣べ伝え、聖礼式を行い、信者を教え導くことであると説きます。また、彼は教会の統治において、長老と牧師による教会政治を提唱します。
キリスト教生活
カルヴァンは、真の信仰は必ず **キリスト教生活** における具体的な行動を伴うと説きます。彼は、信者は神の栄光のために生き、隣人を愛し、社会に仕えるべきだと主張します。カルヴァンはまた、自己否定、勤勉、節制といった美徳を強調し、それらをキリスト教生活の重要な要素として提示します。