## オットーの聖なるものの構成
### 構成は大きく分けて3部構成
オットーの主著『聖なるもの』は、大きく分けて以下の3部構成になっています。
* 第1部「聖なるものの非合理的性格とその自律性」
* 第2部「聖なるものの諸様態および聖なるものの歴史的諸形態」
* 第3部「聖なるものの概念の展開」
### 各部の内容について詳しく見ていくと以下のようになる。
**第1部「聖なるものの非合理的性格とその自律性」**
この部分では、まず聖なるものの本質が理性によっては把握できないものであること、つまり「非合理的」なものであることを主張します。そして、聖なるものの持つ圧倒的な力や、畏怖と魅惑という相反する感情を同時に呼び起こす二重性について論じていきます。
**第2部「聖なるものの諸様態および聖なるものの歴史的諸形態」**
ここでは、第1部で論じた聖なるものの本質を踏まえ、具体的な様態や歴史的な形態について考察していきます。マナやタブーといった原始宗教における概念から、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった一神教における神の概念まで、幅広く扱っています。
**第3部「聖なるものの概念の展開」**
この部分では、それまでの議論を踏まえ、聖なるものの概念を哲学的に考察し、体系化しようと試みています。理性と非合理性の関係、聖なるものの認識論、宗教と倫理の関係など、幅広いテーマについて論じています。