ウエルズの世界史概観を読んだ後に読むべき本
世界の歴史をさらに深く知るためのガイド
H.G.ウェルズの「世界史概観」は、壮大なスケールで人類の歴史を描き出す名著です。しかし、その広範なテーマゆえに、個々の時代や地域、人物について掘り下げるには限界があります。そこで、「世界史概観」を読み終えた後に、特定のテーマについてより深く知りたいという探求心に応える本が必要となります。
ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」
「サピエンス全史」は、人類の歴史を生物学、人類学、歴史学など多角的な視点から分析し、ホモ・サピエンスがいかにして地球を支配するに至ったのかを解き明かす画期的な書です。
「サピエンス全史」が「世界史概観」の後に最適な理由
「世界史概観」は、歴史を政治、戦争、文明の発展といった側面から捉え、大きな流れを把握することに重点を置いています。一方、「サピエンス全史」は、人類そのものに焦点を当て、その進化、思考、行動様式を分析することで、歴史の背後にあるより深いメカニズムに迫ります。
例えば、「世界史概観」では、古代文明の興隆と衰退、帝国の勃興と滅亡が描かれますが、「サピエンス全史」では、そうした歴史的事象の背後にある、人間の認知能力の発達、社会構造の変化、技術革新の影響などが考察されます。
「サピエンス全史」で得られる新たな視点
「サピエンス全史」を読むことで、「世界史概観」で得た歴史の大きな流れに対する理解をさらに深め、新たな視点を得ることができます。具体的には、以下のような点が挙げられます。
* 人間の進化と歴史の相互作用: ホモ・サピエンスがどのように進化し、他の動物たちを凌駕するに至ったのか、その過程で言語や文化がどのように発達したのかを理解することで、歴史を動かす原動力に対する理解が深まります。
* 認知革命と歴史の転換点: 約7万年前に起こったとされる「認知革命」によって、ホモ・サピエンスは抽象的な思考や言語能力を獲得し、複雑な社会を築き上げることが可能になりました。この革命が、その後の歴史における重要な転換点、例えば農業革命や科学革命などに繋がったことを理解することで、歴史のダイナミズムをより深く理解することができます。
* 人類と地球の未来への示唆: 「サピエンス全史」は、過去の歴史を振り返るだけでなく、人類と地球の未来についても考察しています。現代社会が抱える問題の根源を探り、未来に向けた課題や可能性について考える上で、示唆に富む視点を与えてくれます。
まとめ
「サピエンス全史」は、「世界史概観」で得た歴史の大きな流れに対する理解を深め、人間という存在に対する深い洞察を与えてくれる一冊です。歴史好きなら、ぜひ手にとってその知的興奮を味わってみてください。