## ウェーバーの職業としての政治の表現
### 政治における二つの罪
ウェーバーは、政治を職業とするものが犯しやすい二つの罪として、「虚栄」と「無責任」を挙げます。
### 虚栄
政治家は、自身の活動が人々の注目を集めやすい立場にあることから、自己顕示欲や承認欲求に駆られやすくなります。この「虚栄」は、政治家個人ではなく、政治そのものの質を低下させる要因となりえます。真に国民のためになる政策よりも、目立つ政策や発言に走ってしまう可能性があるからです。
### 無責任
政治家は、自身の行動が及ぼす影響の大きさを自覚し、責任ある行動を取らなければなりません。しかし、権力を持つ立場であるがゆえに、その責任を軽視してしまうことがあります。これが「無責任」です。短期的な利益や個人的な保身のために、長期的な視点や国民全体の利益を損なう可能性も孕んでいます。
### 情熱・責任感・判断力
ウェーバーは、政治を職業とするものがこれらの罪を克服し、真に国民のために尽くすためには、「情熱」「責任感」「判断力」の三つが必要不可欠だと説きます。
### 情熱
政治家は、単なる職業人ではなく、世の中をより良くしたいという強い信念と情熱を持つべきです。問題意識を持ち、現状を変えるために積極的に行動することが求められます。
### 責任感
政治家は、自身の行動が国民生活に大きな影響を与えることを常に自覚し、その責任を全うしなければなりません。目先の利益にとらわれず、長期的な視点と広い視野を持つことが重要です。
### 判断力
政治は複雑な問題の連続であり、常に最適な解決策を見出すためには冷静な判断力が必要です。様々な情報や意見を分析し、最善の道を選択できる能力が求められます。
### 職業としての政治
ウェーバーは、「職業としての政治」という表現を用いることで、政治家に対して、専門的な知識や倫理観、そして使命感を持って活動することの重要性を訴えています。