ウェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を読んだ後に読むべき本
マックス・ウェーバー『宗教社会学論集』
ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読んだ後には、同じ著者のより広範な宗教社会学研究に触れることをお勧めします。『宗教社会学論集』は、ウェーバーが晩年に手がけた比較宗教社会学の monumental な研究成果であり、『プロ倫』で示された問題意識をさらに深化させ、世界宗教全体へと拡張させたものです。
本書は、ヒンドゥー教、仏教、儒教、道教、ユダヤ教といった多様な宗教を対象とし、それぞれの宗教が経済倫理や社会構造にどのような影響を与えたのかを詳細に分析しています。例えば、インドにおけるカースト制度とヒンドゥー教の密接な関係、中国における官僚制の発達と儒教の影響、古代ユダヤ教における預言者と倫理的合理主義の関連性など、興味深い考察が展開されます。
『プロ倫』では西洋近代資本主義の起源に焦点を当て、プロテスタンティズム、特にカルヴァン主義の禁欲的な倫理観が重要な役割を果たしたことを論じました。一方、『宗教社会学論集』では、西洋以外の文明において資本主義がなぜ発達しなかったのかという問いを、宗教社会学的観点から探求しています。ウェーバーは、それぞれの宗教が持つ独自の倫理観や世界観が、経済活動や社会構造を規定する「内面的必然性」として作用すると考えました。
『プロ倫』を読んだことで、西洋近代資本主義の特異性とその宗教的背景について理解を深めることができたはずです。『宗教社会学論集』を読むことで、ウェーバーの壮大な比較文明論に触れるとともに、宗教と社会の関係についてのより深い洞察を得ることができるでしょう。