ウィーナーのサイバネティックスに匹敵する本
アラン・チューリングの「計算可能数について：決定問題への応用」
1936年に発表されたこの論文は、理論計算機科学および人工知能の分野に大きな影響を与えました。チューリングは、この論文の中で、どんな計算が可能で、何が不可能かを決定する「チューリングマシン」という仮想の機械を提唱しました。
この論文は、計算の限界と可能性を探求し、現代のコンピュータの理論的な基盤を築いたことで、コンピュータ科学の発展に貢献しました。また、チューリングテストの概念を通じて人工知能の議論を喚起し、その後のAI研究に多大な影響を与えました。
クロード・シャノンの「通信の数学的理論」
1948年に発表されたこの論文は、情報理論の分野を確立しました。シャノンは、この論文の中で、情報を定量化するための「ビット」という概念を導入し、ノイズのある通信路における情報伝達の効率性を数学的に定義しました。
この論文は、デジタル通信の基礎を築き、現代のコンピュータ、インターネット、携帯電話などの技術開発に貢献しました。また、情報という概念を物理量として捉え直すことで、情報科学という新たな学問分野の創出に貢献しました。