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イェーリングのローマ法の精神の関連著作

## イェーリングのローマ法の精神の関連著作

### 1. ゲオルグ・フリードリヒ・プーフタ _”Deutsche Rechtsgeschichte”_ (ドイツ法制史) (1818-1820)

プーフタは、サヴィニーと共に歴史法学派の代表的な学者であり、イェーリングに大きな影響を与えた人物の一人です。_”Deutsche Rechtsgeschichte”_ は、古代ゲルマン法から近代国家形成期に至るまでのドイツ法の歴史を網羅的に記述した monumental な著作です。

プーフタはこの著作において、法は国民の精神や文化と密接に結びついた「民族精神の所産」であるという「民族精神説」を唱えました。彼は、法は国家によって恣意的に作られるものではなく、国民の歴史や伝統の中で自然発生的に形成されていくものだと考えました。そして、法の発展を民族精神の展開として捉え、ドイツ法の歴史を解釈しようと試みました。

_”Deutsche Rechtsgeschichte”_ は、当時のドイツ法学界に大きな影響を与え、後の歴史法学の発展に大きく貢献しました。イェーリングもまた、プーフタの歴史観や法思想に影響を受けたとされています。

### 2. フリードリヒ・カール・フォン・サヴィニー _”Vom Beruf unsrer Zeit für Gesetzgebung und Rechtswissenschaft”_ (立法と法学に対する我々の時代の使命について) (1814)

サヴィニーもまた、歴史法学派を代表する法学者であり、プーフタと共にイェーリングに多大な影響を与えました。_”Vom Beruf unsrer Zeit für Gesetzgebung und Rechtswissenschaft”_ は、1814年にティボーが提唱した「ドイツ民法典制定論」に反対する形で発表されたパンフレットです。

サヴィニーは、法は国民の言語や習慣と同様に、民族の精神や歴史的発展の中で自然に形成される「民族特有のもの」であると主張しました。そして、ドイツ法はまだ十分に発展しておらず、統一的な民法典を制定するには時期尚早であると論じました。彼は、法典制定よりも、歴史的な研究を通じてドイツ法の独自性を明らかにすることの重要性を強調しました。

サヴィニーのこの主張は、当時のドイツ法学界に大きな反響を呼び、民法典制定論争を引き起こしました。結果的に、ドイツ民法典が制定されるのは20世紀初頭まで待たなければなりませんでした。しかし、サヴィニーの歴史法学的な視点は、その後のドイツ法学、ひいてはヨーロッパの法学に大きな影響を与え続けました。

イェーリングもまた、法は民族の精神や歴史と密接に関係しているというサヴィニーの思想に共鳴していました。しかし、イェーリングは、サヴィニーのように法を民族精神の所産として静的に捉えるのではなく、社会の現実や法的必要性に応じて絶えず発展していく動的なものとして捉えました。

これらの著作は、イェーリングの法思想、特に「ローマ法の精神」を理解する上で重要な背景を提供しています。

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